プロ野球界で唯一無二の応援スタイルといえば、東京ヤクルトスワローズの「東京音頭」に合わせた傘応援です。
ヤクルトスワローズが点を取った時、神宮球場で一斉に傘が舞う光景は、初めて観戦する方にとって驚きの体験となることでしょう。
キラキラ光る傘の海は、幻想的な風景をつくりあげています!
なぜヤクルトスワローズだけがこのような独特な応援をするのでしょうか。その理由と歴史をしらべてみました。そして現在の傘の種類について詳しく解説します。
ヤクルトスワローズの傘応援が始まった理由は、応援人数の格差を埋めるため
ヤクルトスワローズの傘応援は、1960年頃に応援団長の岡田正泰さんが考案したものです。
当時、同じ東京を拠点とする読売ジャイアンツと比べて、スワローズのファン数には圧倒的な差がありました…。
岡田さんは「少しでも多くファンがいるように見せるため」という理由で傘を振って応援することを思いつき、まわりのファンに「次の試合で家にある傘を持ってくるように」と呼びかけたとか。
この発想の背景には、傘を開くことでスタンドの見た目の密度を高め、応援の迫力を演出する狙いがありました。
私のちなヤク先輩が私がまだ駆け出しのころ「傘を振っているのは、人のかさを増すため」と”かさ”にかけて教えてくれました。座布団3枚持ってきて。
「どこの家にもある」という実用的な発想
興味深いのは、岡田さんが「どこの家にもあるので、わざわざ購入しなくてよいから」という思いから傘を選んだことです。
応援グッズとして特別なものを購入する必要がなく、誰でも参加しやすい応援スタイルを目指していたのです。
いまではいろいろな傘が売られていて目移りしちゃいます。私の傘はもちろんつば九郎が描かれているもの!
傘応援の歴史と発展~最初は数人から始まった!
最初は数人程度でしたが、試合を重ねるごとに人数が増えていき、80年代にはスワローズを代表する応援として定着しました。
現在では、得点が入った時や7回の攻撃前の「東京音頭」の時間に、神宮球場全体が美しい傘の海となる光景が見られます。
当初は家庭用の傘を使用していましたが、応援が定着するうちに球団が応援専用の傘を販売するようになりました。
歴史ありですね…!
現在の応援傘の種類と特徴~ミニサイズが主流の理由
現在販売されている応援傘は、隣の席同士でぶつからない通常よりも短い、長さは約30センチメートル前後のミニ傘が主流となっています。
公式ショップでは、さまざまな色やデザインの応援傘が販売されています。つば九郎のキャラクターが描かれたものや、特別なイベント限定デザインなど、コレクション性の高いアイテムも人気です。
この小型化は安全性を考慮したもので、球場で販売されている応援用の傘は、危なくないように露先を柔らかい素材にしているとされています。
観戦時の安全を最優先に考えた設計になっているのです!
応援傘はなるべく大きく横には振らず、くるくると回したり、縦に振るようにしましょう。周囲の観客への配慮を忘れずに、楽しい応援を心がけることが大切です。
7回や勝利時にジェット風船を飛ばす他球団もあります。
多くのヤクルトファンは「ゴミになるだけ」「神宮外苑の自然環境が悪化する」としての理由でジェット風船を使っていないとされています。
環境への配慮も含めて、ヤクルトスワローズの傘応援は持続可能で独特な応援文化として確立されているのです。
「SDGsの実践だ!」と一緒に見に行っていたちなヤク先輩が言っていました。
愛され続ける傘応援の魅力
ヤクルトスワローズの傘応援は、1960年代の創意工夫から始まり、現在まで60年以上にわたって愛され続けている独特な応援スタイルです。
応援人数の格差を埋めるという実用的な理由から始まったこの応援方法は、今では神宮球場の美しい名物となっています。
神宮球場を訪れる際は、ぜひ応援傘を手に取って、この歴史ある応援文化の一部となってみてください。
「東京音頭」の響きと共に舞う傘の美しさは、きっと忘れられない思い出となることでしょう。
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