レギュラーシーズンが終わり、「ヤクルトロス」を感じているのではないでしょうか。
そんな若手選手が「フェニックスリーグ」に選ばれて参加という記事も目にするようになりました。

シーズンが終わっても、チェックすること満載ですね!
フェニックスリーグとは?若手育成の重要な舞台
フェニックスリーグは、毎年10月に宮崎県で開催される日本プロ野球の秋季教育リーグです。正式名称を「みやざきフェニックス・リーグ」といい、2025年は第22回大会として10月6日から27日までの22日間にわたって開催されています。
このリーグの最大の目的は、若手選手の育成です。
公式戦で出場機会が少なかった選手たちに実戦経験を積ませ、翌シーズンに向けての課題克服を図ります。NPB12球団に加えて、独立リーグや韓国プロ野球のチームも参加する国際的な大会となっており、全18チームが切磋琢磨する貴重な機会となっています。
各球団は基本的に二軍の監督・コーチ陣が指揮を執り、シーズンを通じて一軍での出場が少なかった若手選手を中心にメンバーを編成します。
また近年では、クライマックスシリーズや日本シリーズに向けた主力選手の調整の場としても活用されることがあります。
主催
一般社団法人日本野球機構、イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ、みやざきフェニックス・リーグ支援実行委員会
期間
2025年10月6日(月) ~ 10月27日(月) 22日間
出場選手の資格
10月1日現在、支配下選手または育成選手として登録されている選手
監督、コーチの資格
所属球団から監督、コーチとしてリーグに登録承認済みの者
(本リーグから帯同する新監督・新コーチ等は、その都度リーグに届け出ること)
審判員
NPB審判員(研修審判員含む)、KBO審判員
通常試合開始時刻
12:30開始(一部変更あり)
試合日程
全156試合
試合日程
ホームチーム
試合日程の組み合わせ左側のチームをホームチーム(後攻)とする。
試合形態
有観客
2025年ヤクルトスワローズのフェニックスリーグ参加メンバー
東京ヤクルトスワローズは、2025年のフェニックスリーグに総勢32名の選手を派遣しています。投手14名、捕手5名、内野手8名、外野手5名という構成で、将来のチームを担う若手選手たちが中心となっています。
投手陣(14名)
奥川恭伸、山野太一、松本健吾、石原勇輝、長谷川宙輝、坂本拓己、竹山日向、阪口皓亮、下川隼佑、沼田翔平、廣澤優、西濱勇星、翔聖、佐藤琢磨
捕手陣(5名)
矢野泰二郎、鈴木叶、中川拓真、橋本星哉、松本龍之介
内野手(8名)
西村瑠伊斗、北村恵吾、田中陽翔、武岡龍世、伊藤琉偉、澤野聖悠、根岸辰昇、髙野颯太
外野手(5名)
丸山和郁、モイセエフニキータ、澤井廉
注目選手とその特徴|2025年シーズンからの成長に期待
奥川恭伸投手|エースへの再挑戦
石川県出身の右腕・奥川恭伸投手は、2019年ドラフト1位でヤクルトに入団した期待の星です。星稜高校時代には甲子園で準優勝投手として活躍し、プロ入り後も将来のエース候補として注目を集めてきました。
2025年シーズンは自身初の開幕投手に指名され、開幕戦では6回無失点と好投を見せました。しかし、その後は思うような結果が出せず、初勝利は7月19日までずれ込み、12球団の開幕投手で最も遅い初勝利となりました。キャンプ中の下半身のコンディション不良や度重なる二軍調整を経験し、シーズンを通じて苦しい戦いを強いられました。
フェニックスリーグでは、本来の投球を取り戻すための貴重な実戦経験の場となります。制球力と多彩な球種を武器とする奥川投手が、来シーズンに向けてどのような投球を見せるか、ファンの期待は高まっています。
山野太一投手|左腕のポテンシャル
山口県出身の左腕・山野太一投手は、2018年ドラフト2位でヤクルトに入団しました。高川学園高校時代には創部初の甲子園出場を果たし、エースとしてチームを牽引しました。
プロ入り後は、左投手特有の角度のある投球と制球力を武器に成長を続けています。2025年シーズンも一軍での登板機会を得ており、中継ぎとして貴重な戦力となっています。フェニックスリーグでは、さらなる球威の向上と投球の幅を広げることが期待されます。
西村瑠伊斗内野手|プロ初安打の勢いそのままに
京都府出身の西村瑠伊斗内野手は、2022年ドラフト2位でヤクルトに入団した若手有望株です。京都外大西高校時代には投手と外野手を兼任し、打者としても高い評価を受けていました。
2025年シーズンは9月30日のDeNA戦で待望のプロ初安打・初打点を記録しました。高卒3年目での一軍初昇格、そして代走から出場した試合でチャンスを生かし、藤浪晋太郎投手から右前適時打を放った瞬間は、多くのファンを沸かせました。
長打力を秘めた打撃と俊敏な守備が魅力の西村選手。フェニックスリーグでは、プロ初安打の勢いをそのままに、さらなる成長を見せることが期待されています。攻守両面での技術向上と、レギュラー争いに食い込むための実戦経験を積む絶好の機会となるでしょう。
丸山和郁外野手|復活への道
群馬県出身の丸山和郁外野手は、2017年ドラフト2位でヤクルトに入団しました。前橋育英高校時代には甲子園でエースとリードオフマンを兼任し、類まれな野球センスを発揮していました。
プロ入り後は俊足と守備力を武器に、外野のレギュラー候補として期待されてきました。左打ちの好打者として、広角に打ち分ける打撃技術も評価されています。2025年シーズンは4月に右手首を負傷し、長期離脱を余儀なくされましたが、6月にファームで実戦復帰を果たしました。
フェニックスリーグでは、怪我から完全復活し、本来の俊足・好守の外野手としての姿を取り戻すことが期待されます。守備・走塁での貢献はもちろん、打撃面でも開幕前のオープン戦で見せた打率3割超えの調子を再現できるか注目です。
2025年フェニックスリーグの開催球場|宮崎県内10球場で熱戦
2025年のフェニックスリーグは、宮崎県内の10球場で開催されています。それぞれの球場に特色があり、選手たちは様々な環境で実戦経験を積むことができます。また、すべての試合が入場無料で観戦できるのも大きな魅力です。
宮崎市内の主要球場(6球場)
アイビースタジアム(宮崎市生目の杜運動公園野球場)
収容人数11,000人を誇るフェニックスリーグのメイン球場です。福岡ソフトバンクホークスのキャンプ地としても知られ、外壁が蔦で覆われた美しい球場として人気があります。両翼100メートル、センター120メートルの本格的な野球場で、照明設備も完備されています。
生目の杜運動公園第2野球場
アイビースタジアムに隣接する第2球場です。収容人数は250人とコンパクトですが、グランドレベルから選手の躍動を間近で見られる迫力ある観戦が魅力です。
SOKKENスタジアム(清武総合運動公園球場)
1998年に完成した野球場で、収容人数は5,500人です。オリックス・バファローズや韓国プロ野球の斗山ベアーズがキャンプ地として利用しています。宮崎市中心部や宮崎空港から車で約20分という好アクセスも魅力です。
清武総合運動公園第2野球場
SOKKENスタジアムと同じ敷地内にある第2球場で、練習や試合が同時開催される際に使用されます。
ひなたサンマリンスタジアム宮崎(宮崎県総合運動公園硬式野球場)
収容人数30,000人を誇る宮崎県最大の野球場です。読売ジャイアンツのキャンプ地として全国的に知名度が高く、WBC日本代表の強化合宿でも使用されました。JR宮崎駅や宮崎空港から日南線でアクセス可能な、電車で行ける数少ない球場の一つです。
ひなたひむかスタジアム(宮崎県総合運動公園第2硬式野球場)
サンマリンスタジアム宮崎と同じ敷地内にある第2球場で、こちらも充実した設備を誇ります。
県内各地の球場(4球場)
西都原運動公園野球場(西都市)
宮崎市から北西に約30キロメートルの西都市にある球場です。収容人数1,000人で、照明設備も完備しています。
天福球場・南郷スタジアム(日南市)
宮崎市から南に約50キロメートルの日南市にある2つの球場です。温暖な気候に恵まれた環境で、選手たちは調整を行います。
都城運動公園野球場(都城市)
宮崎市から南西に約50キロメートルの都城市にある球場です。2025年シーズンからは千葉ロッテマリーンズ二軍のキャンプ地としても使用されることが決定しています。
メディキットスタジアム(日向市お倉ヶ浜総合公園野球場)
収容人数1,500人の球場で、太平洋に近い日向市に位置しています。
フェニックスリーグがもたらす価値|来季への架け橋
フェニックスリーグは、単なる秋季練習ではありません。
シーズン中に一軍での出場機会が限られた選手たちにとって、実戦形式で自分の力を試し、課題を見つけ、そして克服するための貴重な場となっています。
特に2025年のヤクルトスワローズは、シーズン終盤まで苦しい戦いが続きました。
しかし、そのような状況だからこそ、若手選手たちがフェニックスリーグで得る経験は、来季のチーム浮上に向けた大きな原動力となるはずです。
奥川投手のようなエース候補の再起、西村選手のようなフレッシュな若手の台頭、丸山選手のような経験豊富な選手の復活。それぞれの選手が、それぞれの目標を持ってこのリーグに臨んでいます。
2026年シーズンに向けて|ファンの期待
フェニックスリーグで活躍する選手たちの姿は、ファンにとって来季への希望の光となります。
宮崎の温暖な気候の中、日々成長を続ける若手選手たち。その一投一打が、2026年のスワローズを形作る重要なピースとなるのです。
特に注目したいのは、今回参加している選手の多くが、近い将来一軍で活躍する可能性を秘めているという点です。
西村選手のようにシーズン終盤に初安打を記録した選手が、フェニックスリーグでさらに経験を積み、来季開幕から一軍で活躍する。そんな成長ストーリーが、このリーグから生まれる可能性は十分にあります。
また、投手陣についても、奥川投手や山野投手といった先発・中継ぎの両方で期待される若手投手たちが、このリーグで調整と実戦経験を積むことで、来季のローテーションやブルペンの柱として成長することが期待されます。
まとめ|若手の成長がチームの未来を照らす
2025年のフェニックスリーグは、東京ヤクルトスワローズにとって来季飛躍への重要なステップとなります。
参加する32名の選手たち一人ひとりが、自分の課題と向き合い、成長を遂げることで、チーム全体の底上げにつながります。
10月27日までの期間、宮崎の地で汗を流す若きスワローズたち。彼らの奮闘は、必ずや2026年シーズンのチームに活力をもたらすことでしょう。
ファンの皆さまも、フェニックスリーグの結果や選手たちの活躍に注目し、来季への期待を膨らませていただければと思います。
燕は必ず、再び高く舞い上がります。その日を信じて、若手選手たちの成長を温かく見守っていきましょう。
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